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夢見りあむソロ曲「OTAHENアンセム」、そしてアーバンギャルドによる「歌ってみた」の感想。
まず、アイドルマスターシンデレラガールズにおける夢見りあむというキャラクターの立ち位置について語らせてください。
夢見りあむは2019年に登場して、奇抜なキャラクター性がすぐに話題を呼び、その年の総選挙で3位を獲得しました。それからボイス実装、SSR実装、フィギュア化、ソロ曲発売、すべてが異例の速さで進んでいきました。そして、それらは何度も炎上しました。
正直、炎上するのは仕方ないことだと思います。デレマスにはボイスやSSRの実装を何年も待たされているアイドルや総選挙の圏内に入れないアイドルがたくさんいるのに、あとから登場したキャラがあっという間にそれをかっさらっていったら、良く思われないのは当然です。
そんななかで、りあむは何を考えていたか。SSRの特訓コミュから引用します。
尊い存在である「アイドル」になれないまま、ネットのオモチャにされて持ち上げられて炎上して、その結果、りあむは「アイドルにならない」と宣言します。アイドルにならずに、自分のままでステージに立つ、それが夢見りあむの選択でした。
そして、その後に発表されたのが、りあむのソロ曲、「OTAHENアンセム」です。
なんか、もう、とにかく歌詞がやばかった。
「BURN BURN みんなが燃やせば ワンチャンあるかも⁉︎なんて」、「なりたい なれない あの子も あの子も あの子も」という部分では尊いアイドルになれないままネットのオモチャにされていくりあむ自身の姿が描かれていて、
「どうせ 推し変 みんなすんじゃん DDなんて 浮気まんまん どうせ ぼくに No No 人権」「どうせ ぼくを 全然見てない アイドル辞めたら好きじゃない ぴえん」という部分では、容姿がかわいかったり面白かったりすれば簡単に推されて、すぐに忘れられていくアイドルの存在が描かれているような気がしました。
「お願い!タヒんでくれ 夢は夢で終わってくれ」というサビのフレーズはデレマスのテーマ曲でもある「お願い!シンデレラ」のパロディで、ひたすらに絶望してるし、この曲が発表されたときはかなり物議を醸していました。
でも、そこから、「お願い!タヒにたくない 夢は夢で終わらせない」に転換して、「みんながぼくのアイドルだ!」という結論にたどりつきます。
尊いアイドルになれなくて、何度も炎上して、それでも自分らしい姿でステージに立って、自分を好きでいてくれるオタクがいることに救われる、それが夢見りあむの輝き方で、そんな姿を見ることで私たちオタクも救われるのかもしれない、と思わされます。良すぎる。
で、これって、めちゃくちゃアーバンギャルドなんですよね。
そもそも夢見りあむというキャラクター自体、アーバンギャルドが描いてきたような、「病んでる」系統のサブカルチャーをもとに生まれてきた存在だと思います。OTAHENアンセム、曲調もトラウマテクノポップっぽいし。
でも、それだけじゃなくて。
尊いアイドルになれなくて病んでしまう姿は「あなたになれないわたしになれない」「あなたになって生まれてみたい」だし、それでも自分らしく生きようとする姿は「綺麗さも醜さもほんとのわたしを生きるの」「今日から少女元年 きっとはじまるあたし元年 何度でもあたしになるの」だと思うんです。
ただ病んでるだけじゃなくて、病んでるのを否定することもなくて、「君の病気は治らない だけど僕らは生きていく」っていう救済を見せてくれるのがアーバンギャルドだと思っているので…。
だから、私はりあむソロを初めて聞いたときからめちゃめちゃアーバンギャルドじゃん……と思ってたんですが、そしたら、なんかアーバンギャルドがカバーしちゃった。え????
もともとツイッターとかで「りあむソロがアーバンっぽい」とか「りあむにアーバンの曲をカバーしてほしい」とか言ってる人はちらほらいたし(私も言ってたし)、こういうの本人の目にも入ってるだろうなとは思ってたけど、まさか歌ってくれるなんて思ってなかった。
歌ってみた動画、原曲よりもアーバンギャルドっぽさが強くなってるし、よこたんの歌声がしぬほどかわいいし天馬さんのコールも楽しくて最高なんですが、それだけじゃなくて、りあむのことを肯定されたような感覚があったんですよね………。
りあむの選択した生き方が、アイドルとしての輝き方が、間違ってなかったんだと実感できて、がんばってきてよかった………好きでいてよかった………という気持ちになりました。(私はべつにがんばってないけど………)
なんというか、りあむ、アイマスの子たちのなかでも圧倒的に「自分の身近なところ(=アーバンギャルドのファン)にいそう」なキャラクターだなと思います。
このカードとか、私もこのへんのライブハウスでアーバンとか天馬ソロとかを見たこと何回もあるし、こんなのもう、現実じゃん………。夢見りあむ、私たちと同じような人生をやっている……。
私はりあむのことを「自分と同じような生き方の女の子」だと思っていて、だからこそすごく親近感を持って応援していて、そんなりあむの出したひとつの結論を、はじめてのソロ曲を、大好きなアーバンギャルドが歌ってくれたのが、本当に嬉しかったです。
なんか、私が好きなものとか、信じてきたものとか、ぜんぶちゃんと正しかったんだな、みたいな気持ち。
あとこれはごく個人的な話なんですが、以前、天馬さんにデレマスの担当(りあむではない)のアクキーを見せたときに、「対バンしたい」って言われたことがあって。
そのときは「実在しないのに対バンできるわけないじゃん!」と思ったし、たしか天馬さんにもそう言ったんですけど、アーバンがりあむソロを歌ってくれたおかげで、対バンという形ではないにせよ、夢が叶ったというか 妄想が現実になってしまいました。夢は夢で終われないってこういうことか?
アーバンギャルドさんありがとう…大好きです……。
あ、この文章を書きながらデレステしてたらMASフルコンできました。やったね。